治療後に気をつけること
インプラントもむし歯や歯周病のようになりますか?
むし歯にならないが、お手入れを怠ると周りの筋肉が炎症を起こすことがある
インプラントは金属でできていますから、むし歯になることはありません。ただし、お口のお手入れを怠ると、「インプラント周囲炎」といって、歯周病のように周りの歯ぐきが炎症を起こしてしまうことがあります。その場合は、歯周病の治療と同じようにインプラントの周囲の掃除を徹底して行います。必要に応じて抗菌薬を服用していただくこともあります。
インプラントの周りに炎症が起こると、最悪の場合はインプラントを除去しなければならなくなることもあります。そうならないように、インプラントを入れたあとは定期的なメンテンスを受けて、炎症が起こらないように予防することが非常に大切です。
そしてさらに、インプラントの治療の前に、お口の中の歯や歯ぐきが将来的に問題を起こさないようにきちんと診査、診断を行い、治療を進めることが重要です。この段階で、将来のトラブルを防ぐため、あらかじめ歯を抜いておいた方が長い目で見て良い場合があります。
インプラント治療に伴う一般的なリスクや副作用
- インプラント治療は、保険適用外となります。
- インプラント治療は、顎の成長が終わられた方が適用となります。また、妊娠中の方、妊娠の可能性のある方、授乳中の方は、その期間中はインプラント手術を行いません。
- 心臓疾患、骨粗鬆症、脳血管疾患などの方は、内科的な面からインプラント治療に適さないケースがあります。また、普段服薬しておられるお薬も治療に影響する場合があるので、治療前に歯科医師に申告してください。
- インプラント治療は、外科手術を行う必要があります。手術後、痛み、腫れ、出血、知覚の異常が生じる場合があります。
- 免疫力や抵抗力が低下しやすく、歯周病の発生リスクが高いとされる糖尿病の方、口腔内の衛生状態の悪い方、喫煙者の方は、事前に生活習慣の改善・治療が必要な場合があります。
- インプラント治療では、歯科局所麻酔を行います。
- インプラント治療は、顎の骨に穴を開けて人工の歯根を埋め込みその上に人工の歯を被せるため、インプラント体が骨に結合するまでに数ヶ月要します。また、インプラント体を埋め込む骨の厚みを増やす手術を行う場合は、さらに期間を必要とします。
- インプラント手術の際に下顎神経に触れた、もしくは近かったなどの影響により、下歯槽神経の損傷(知覚異常や鈍麻)を起こす場合があります。インプラントによる神経の圧迫・損傷・切断が起きた場合は、インプラントを撤去します。状況によっては、経過を見る場合や、内服薬で治療を行う場合もあります。
- 歯がない箇所のリカバリー治療では、欠損箇所のみの治療ではなく、全体の噛み合わせを考慮した治療が必要になります。
- インプラント治療後は、磨き残しのプラークが原因のインプラント周囲炎になる可能性があります。定期検診とメインテナンスを継続して口腔内の衛生状態を清潔に保つ必要があります。インプラントは人工物であるためむし歯にはなりませんが、インプラント周囲炎のリスクがあるので日頃から丁寧なメインテナンスが必要です。
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